水耕給水制御|栽培槽の給水と液肥の定量投入を自動化

水耕給水制御

毎日の見回りに使っていた時間を、
丸ごと返します。

水耕栽培の栽培槽への給水と、液肥・pH調整液(pHダウン剤/アップ剤)の定量投入を自動で行う制御装置です。最大10レーン。満水はフロートスイッチで見ています。設定も運転状況の確認も、盤の前でもスマホからでも。

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槽を見に行く時間を、自分のために取り戻したくて作りました

水耕の栽培槽は、減った分を足せばいい、という単純な話のようでいて、実際にやってみると「今どれだけ減っているか」を見に行く時間がいちばん取られます。作業そのものは弁を開け閉めするだけの単純作業でも、それを1日に何度も、圃場を回って行うとなると話が別です。

自動化する前は、水やりの弁を開けている間の待ち時間と、槽を見て回る移動だけで、毎日2時間ほど取られていました。毎日この時間が取られると、旅行にも遊びにも行けなくなります。栽培以外のこと、営業や経営の計画、大切な人と過ごす時間に頭を使えなくなるのが、私にはいちばん堪えました。

市販の設備は、品質だけでなく、営業やメンテナンスの安心も含めての価格だと思っています。私たちはそこを削って、自分で直せる方のための価格にしました。自分の設備は、自分の手の内に置いておきたい。そう思って、自分で作りました。

2019年には、この仕組みを技術同人誌にまとめて発信していました。この考えは、その頃からずっと変わっていません。水耕派の私自身、アナログとデジタルの装置を試作し、3年動かしてきました。

水耕給水制御は、まさに現場でお使いいただく事例づくりを進めているところです。

満水になったら、自分で止まります

栽培槽ごとにフロートスイッチ(水位を検知するセンサー)を付けて、水位を見ています。減っていれば、そのレーンの電磁弁を開けて給水し、満水を検出したら止めます。人が見に行って判断する必要がありません。

給水のきっかけはフロートスイッチと時刻です。給水の開始時刻・停止時刻、給水インターバル、1回あたりの給水量を設定できます。夜間は動かさない、という運用も時刻で決められます。

ここで言う「レーン」は、別々に給水できるまとまりの数です。水耕なら栽培槽ひとつが1レーンにあたります。最大10レーンまで、1台で見られます。

レーンごとに1個ずつ並ぶ電磁弁。手動の開閉レバーが付いているので、装置を止めていても手で開けられます。

濃度を入れておけば、あとは水量に合わせます

電磁式の定量ポンプを3台積んでいます。肥料A液・B液と、pH調整液です。

設定するのは濃度だけです。実際に流れた水量に連動して投入するので、その日の給水量が変わっても濃度は変わりません。レーンごとに設定できます。

ポンプの吐出量はタッチパネルで校正できます。個体差や、使い込んでからのズレを設定値で吸収する形です。ポンプを買い替えなくても、数字を入れ直せば合わせられます。

電磁式定量ポンプ3台。肥料A液・B液と、pH調整液に1台ずつ使います。

上限を超えたら、止めます

フロートスイッチが効かなかったときのために、レーンごとに「1回でこれ以上は流さない」という給水時間の上限を持たせています。上限を超えたら、そのレーンの給水を自動で止めます。

水耕は槽から溢れると床も根も一度に傷みます。止まる側を装置に持たせておくのがいちばん安いと私たちは思っています。

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どれだけ入ったかが、数字で残ります

流量センサーで給水量を計測しています。積算値はタッチパネルでもスマートフォンでも確認できます。

レーンごとに順番に潅水し、その間に流れた水量を弁の開け閉めと合わせて数えているので、どの槽に何リットル入ったかがレーンごとに残ります。「先週より水を食っている」「この槽だけ減りが早い」といったことが、記憶ではなく数字で分かります。液肥の投入量も、この流量に連動しています。

給水ラインに入れる流量センサー。ここを通った水の量を数えています。

盤の前でも、スマホからでも

制御盤の前面にタッチパネルがあります。レーンごとの運転の入切、各設定値の変更、手動での投入、いま動いているかどうかと投入回数の確認まで、ここで完結します。

無線LAN経由でクラウドにつながるので、スマートフォンからも設定の変更と状態の確認ができます。ハウスに行かないと分からない、という状態にはなりません。

設置場所のWi-Fiを変えるときも、制御盤の扉を開けずにタッチパネルから設定できます。通電したまま盤を開ける必要がありません。

やれるけど、やらなくていい。この違いは、思っている以上に大きいと感じています。私自身、外出できるようになりましたし、栽培を人に教えたり、野菜づくり以外にも時間を使えるようになりました。

G様(京都府)は福祉事業のほ場でお使いいただいています。利用者さんも従業員の方も土日はお休みですが、その間も装置が自動で動くので、「休みを設定できるようになった」と話してくださいました。

電磁弁までが、この装置です

栽培槽の数も置き方も現場ごとに違うので、装置から先の配管は、現場に合わせてお客様で選んでいただく形にしています。そのぶん装置側は構成を固定して、価格も固定できます。架台に組み付けた状態でお納めします。

この装置に含まれるもの

  • 制御盤一式(コントローラ+タッチパネル一体型・盤内配線)
  • 電磁式定量ポンプ3台(肥料A液・B液・pH調整液)
  • 直動式電磁弁(レーンごとに1個・最大10レーンぶん)
  • フロートスイッチ(レーンごとに1個・最大10レーンぶん)
  • 流量センサー
  • 機器間の配線材一式
  • 架台一式(盤・ポンプ・電磁弁をここに組んでお渡しします)

お客様でご用意いただくもの

  • 栽培槽と、その架台
  • 装置から先の配管一式(電磁弁のホースソケット以降)
  • 薬液タンク(肥料A液・B液用、およびpH調整液用)
  • 給水元(水源と、そこまでの配管)
  • 据付と、設置場所までの電源工事
    電源の引込工事は基本的にお客様手配です。据付の範囲は現場に合わせてご相談ください

分からなければ、必要なものも含めてご相談ください。

製品の中身

項目内容
制御方式プログラマブルコントローラ + タッチパネル 一体型
給水レーン最大10レーン(栽培槽10槽ぶん)
給水のきっかけフロートスイッチ(満水検知)と時刻
給水直動式電磁弁(レーンごとに1個)
水位検出フロートスイッチ(レーンごとに1個)
薬液投入電磁式定量ポンプ3台(肥料A液・B液・pH調整液)/肥料の2台は同時駆動、pH調整液は独立/投入量は濃度で設定し、流れた水量に連動
流量計測流量センサー(積算)
安全機構レーンごとの給水時間の上限を超えたら自動停止
操作部タッチパネル(制御盤一体)
遠隔監視・操作無線LAN経由のクラウド接続/スマートフォン対応
主な設定項目
  • 給水の開始時刻・停止時刻
  • 給水インターバル
  • 1回あたりの給水量
  • 給水時間の上限
  • 薬液濃度
  • レーンごとの運転の入切
  • 定量ポンプ吐出量の校正
引込電源単相AC200V
外形寸法W1200 × D1000 × H1000 mm(架台込み一式)

電磁弁とフロートスイッチは、最大10レーンぶんを最初から付属しています。薬液の種類と数は、お使いの肥料に合わせて構成を変更できます。

正直な価格の理由

専門の営業担当やメンテナンス担当を置いていません。そのぶん、価格を抑えられています。逆に言うと、市販品の価格には、その安心感も含まれていると思っていただければと思います。

ですので、ご自身である程度メンテナンスができることが前提になります。DIYの気持ちがある方に使っていただきたいと思っています。突き放すつもりはありません。直し方は、ページ下の修理・お手入れブログで随時公開しています。

2019年に自分で書いた小冊子でも、施設園芸で一番おすすめしたいものとして真っ先に電気工事の資格を挙げていました。今も同じ考えです。

レーン数で刻んだ価格表は作っていません。10レーンぶんの構成で一律にしています。使うのが4槽でも10槽でも同じです。配管は現場ごとに違うので価格に含めていません。上の「お客様でご用意いただくもの」の分だけ、別途かかります。

いきなり120万円と聞くと身構えますよね、私たちも逆の立場ならそう思います。

1,200,000円(税込 1,320,000円)

10レーンぶんの装置一式の価格です。据付と、設置場所までの電源工事、装置から先の配管は含みません。工事費や配管費がいくらになるかは、現場によって変わります。据付や電源工事の範囲は、現場に合わせてご相談ください。

導入までの流れ

DIYでの取り付けを前提に作っていますが、慣れない作業も出てくるかもしれません。目安として、次のくらいは見ておくと安全です。

  • お問い合わせから設置まで、目安は1ヶ月です。
  • 設置には1週間ほど見ておくと安全です。装置の組み立てよりも、ホースや電線の取り付けに時間がかかることの方が多いです。
  • 増設もご自身で取り付けできます(最大10レーンまで)。
  • 出張施工も承っています。安全のため、基本的に端境期に行っています。

電気工事が必要な場合は、お近くの電気工事店にご依頼ください。地域ごとに事情が異なるため、こちらからの紹介はしておりません。

繰り返しはシステムに、人は観察と戦略に

優秀なセンサーであり、柔軟に動けるアクチュエーターでもある――人間はもともと、そういう存在だと思っています。単純な繰り返し作業に使うのではなく、圃場を見て回り、変化に気づく観察に使う。空いた時間は、栽培や経営の戦略を考えることに使う。それができれば、栽培も経営も良くなっていくはずだと信じています。

気になりがちな質問

後からレーンを増やせますか

電磁弁とフロートスイッチは、最大10レーンぶんを最初からお渡ししています。槽を足したときは、その分をご自身で取り付けていただければそのまま増やせます(制御盤側の追加費用はかかりません)。取り付けに不安があれば、ご相談ください。

いま使っている栽培槽に後付けできますか

槽ごとにフロートスイッチを取り付けて、給水側に電磁弁を入れる形になります。槽の形と給水の取り回し次第なので、写真を見せていただくのがいちばん早いです。

肥料の種類を変えられますか

変えられます。薬液の種類と数は、お使いの肥料に合わせて構成を変更できます。有機の液肥を入れて使っていただいている現場もあります。

インターネットが切れたらどうなりますか

給水も薬液の投入も、制御盤の中で動いています。インターネットは、スマートフォンから設定を変えたり状態を見たりするための経路です。つながっていない間も、装置はそれまでの設定で動き続けます。

まずは、栽培槽の写真だけでも

いきなり見積を取る、という話でなくて構いません。「うちの槽でも動くのか」を私たちと一緒に見るところからで大丈夫です。

ハウスの土耕や、もっと小さな規模もお探しですか。潅水のやり方を3つ並べて比べるページをご用意しています。

この装置のお手入れ・修理

使っていて「あれ?」となったときの直し方を、写真つきで公開しています。部品を替える前に、まず試せることから並べました。

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