潅水システムを使っていると、水は流れているように見えるのに、タッチパネルの流量(水量)がずっと「0」のまま動かないことがあります。積算量(ためていく水量)もカウントされません。
この記事では、この症状が出たときにご自身でできる点検・お手入れの手順を、実際の写真とあわせて公開します。
先に正直にお伝えしておくと、この記事でできるのは「どこに原因があるか」の切り分けと、コネクタの抜き差し・タービンの空気抜き・フィルター清掃といった簡単な現地対応までです。分解しても直らない場合や、センサー本体そのものが壊れているとわかった場合は、センサーの交換が必要になります。そのときは無理をせず、私たち(悠々システム)にご相談ください。
それでも、順番に見ていけば「掃除で直るのか」「交換が要るのか」の見当がつきます。まずはできるところから始めてみてください。
こんな症状のとき
- タッチパネルの流量(水量)が「0」のままで動かない
- 水は出ているのに、流れた量がカウントされない・積算されない
- 水道の元栓は開いていて、水が来ていないわけではなさそう


なぜ起きる? ― 考えられる原因は3つ
まず、流量センサーがどうやって水量を測っているかだけ、かんたんにご説明します。
流量センサーの中には、タービン(水の流れで回る小さな羽根車)が入っています。水が流れるとこのタービンが回り、回った分だけ細かな信号を出します。その信号を数えることで「何リットル流れたか」を計算する仕組みです。
つまり、タービンが回らなければ信号が出ず、流量はいつまでも「0」のままになります。そこで、原因として考えられるのは大きく3つです。
- コネクタ(接続部)の接触不良 ― 信号が制御盤まで届いていない
- タービンに空気や異物が噛んでいる ― 羽根車が回れず、信号が作られていない
- メッシュフィルターの詰まり ― 水の流れが弱くなり、タービンが回るだけの勢いがない

点検・お手入れの手順
原因の切り分けは、手軽にできるところから順番に進めるのがおすすめです。いきなり分解せず、コネクタ→タービンを叩く→フィルター掃除、の順で試してみてください。
ステップ1:コネクタを抜き差しして接点を確認する
まず、一番手軽なコネクタ(接続部)から確認します。流量センサーの先端は「T字」の形をしていて、その先端にコネクタがついています。
コネクタには抜け止めのナット(リング)がついています。このナットを反時計回り(ゆるむ向き)に回してゆるめ、そのあとまっすぐ引き抜いてください。ナナメに引っぱると中のピンを傷めることがあるので、まっすぐが基本です。

接点(電気が通る金属部分)を見て、錆びやサビが薄く乗って接触不良を起こしている場合は、抜き差しをするだけで改善することがあります。何回か抜き差ししてみてください。

戻すときは注意してください。ピンが4本あるので、差し込む向きを間違えないように、まわりの突起(出っぱり)をセンサー側と配線側で合わせてから、まっすぐ差し込みます。最後に抜け止めのナットを締め込めば取り付け完了です。
ゆるむ向き(反時計回り)・締まる向き(時計回り)は、実物を目の前にすると分かりやすいです。固くて回らないときは無理に力をかけず、そのままで大丈夫です。
ステップ2:タービンを軽く叩いて、空気・異物を抜く
コネクタで直らなければ、次はタービンに空気や異物が噛んでいないかを確認します。タービンに空気が噛んだり、細かなゴミが挟まったりすると、羽根車が回らなくなって信号が出せなくなります。
そこで、タービンのあたりを手で軽く叩いてみてください。目的は、振動で空気を抜いたり、挟まった異物を動かして流してしまうことです。できれば水を流しながら、軽い力で何回か叩くのがコツです。強く叩く必要はありません。
叩いたら、そのまま水を流してみてください。これで流量が反応すれば、原因は空気・異物の噛み込みだったということになります。
ステップ3:(手間はかかりますが確実)タービンを外して、信号が出ているか確かめる
ステップ2で直らないときは、タービンを取り外して直接調べる方法があります。これが一番確実な切り分けですが、少し大きめのモンキーレンチが必要で手間がかかるので、上の簡単な方法を試してからで大丈夫です。
やり方をご説明します。タービンの両側に真鍮色(しんちゅういろ)のナットがあります。これを大きめのモンキーレンチでゆるめて外すと、タービンを取り外せます。

取り外したタービンに、何か物が詰まっていないか確認してください。詰まりがなければ、次はファン(羽根車)が回るか、そして信号がちゃんと作られて制御盤まで届いているかを確かめます。
やり方はとてもシンプルで、タービンに口で息を吹きかけるだけです。息だけで羽根車は十分に回ります(ブロアなどは要りません)。水を切ってから、タービンに息を吹きかけてみてください。そのとき、タッチパネルの「流量」の表示を見てください。
- 「Setting 2」の画面を開いて、その中の「流量」のところを見ます。
- 息を吹きかけたときに、この流量の表示がついたり消えたりすれば、センサーはちゃんと信号を作っていて、しかもそれが制御盤まで届いている、ということです。

これが根本的な切り分け方法です。信号が届いていることが確認できれば、センサーとその配線は生きている、と判断できます。確認できたら、タービンを元に戻してください。
ステップ4:メッシュフィルターを掃除する
流量が「0」になる原因として、意外と多いのがメッシュフィルターの詰まりです。フィルターが詰まると、水の流れる抵抗が大きくなって、流れる量や速さが落ちます。流れがトロトロと弱くなると、タービンが回れず、信号が出せなくなるのです。フィルターの詰まりが、めぐりめぐって「流量0」の原因になっている、というわけです。

掃除は、歯ブラシが1本あればできます。
- ネジ部分をゆるめて、中のフィルターを取り出します。
- フィルターの表からも裏からも、歯ブラシで優しく磨きます。
- 流水ですすぎながら、こすり落とすように掃除すると、効率よく汚れが落ちます。
きれいになったら元に戻し、水を流してみてください。
結果 ― 流量が反応すれば成功
コネクタの抜き差し・タービンの空気抜き・フィルター清掃のいずれかで、タッチパネルの流量表示が反応するようになれば成功です。積算量もふたたびカウントされるようになります。
もし、ここまで全部試しても流量が「0」のままで、しかもステップ3で「息を吹いても流量表示が反応しない」場合は、センサー本体か配線側に原因がある可能性が高いです。そのときは無理をせず、ご相談ください。
注意点+お手入れのコツ
コネクタやタービンを外すときは、基本的に水が出ていない状態で行ってください。ナットやコネクタを戻すときは締めすぎに注意してください。強く締めすぎると、部品を傷める・ねじ山をなめることがあります。
- タービンを叩くときは軽い力で。強く叩く必要はありません。
- 息でファンを回すときは、ブロアや高い空気圧は不要です。口で軽く吹くだけで十分回ります。
詰まりを防ぐには、定期的なフィルター清掃を
流量トラブルの多くは、フィルターの詰まりや、タービンまわりの汚れが積み重なって起こります。季節の変わり目や、水の勢いが弱くなってきたと感じたときに、フィルターを一度掃除しておくと、トラブルを未然に防ぎやすくなります。
よくある質問(FAQ)
- 水は出ているのに、なぜ流量が「0」になるのですか?
-
流量は、センサー内のタービン(羽根車)が回った回数から計算しています。水は出ていても、コネクタの接触不良・タービンの空気噛み・フィルター詰まりで流れが弱いといった理由でタービンが回っていないと、流量は「0」のままになります。
- タービンを叩いたり、息を吹いたりして、壊れませんか?
-
軽い力で叩く・口で軽く息を吹く程度であれば問題ありません。強い力や高い空気圧は不要です。
- フィルターはどのくらいの頻度で掃除すればいいですか?
-
決まった頻度はありませんが、水の勢いが弱くなってきたときや、流量表示の反応が鈍いと感じたときに掃除していただくのが確実です。
- コネクタを抜き差ししたり、タービンを外したりしても直りませんでした。
-
その場合はセンサー本体か配線側に原因がある可能性があります。ステップ3の「息を吹いて流量表示が反応するか」を確認し、反応しないようであればご相談ください。
- 流量センサーを外せる、大きなモンキーレンチがありません。ステップ3はやらないとダメですか?
-
まずはステップ1(コネクタ)・ステップ2(タービンを叩く)・ステップ4(フィルター清掃)を試してみてください。それで直ることも多いです。ステップ3は、それでも直らないときの確実な切り分け方法です。
自分で難しい場合
「一通り試したけれど流量が戻らない」「息を吹いても流量表示が反応しない」「分解の作業までは自信がない」——そんなときは、無理をせずご相談ください。
- 流量センサー本体の交換
- コネクタ・配線側の確認
- そのほか判断に迷う症状のご相談

コメント