歯ブラシ手入れでも直らない時は|流量センサーのコネクタ部だけ交換する方法(タービンは残せます)【自分でできる修理シリーズ#06】

この記事は「潅水システムの流量が『0のまま』になった」トラブルの続きです。前回の記事「流量センサーのコネクタが怪しいと思ったら(歯ブラシ+防湿グリースで接点復活)」では、道具をほとんど使わない無料のお手入れで接点を復活させる方法をご紹介しました。

まだお手入れを試していない方は、まずそちらからどうぞ。お金をかけずに直ることがあります。この記事は、お手入れをしても流量が戻らなかったときの、いちばん確実な直し方=部品の交換についてです。

この記事でできること・できないこと

先に、正直にお伝えしておきます。

  • できること:流量センサーを分解して、傷んだコネクタ側だけを交換する方法(水が通るタービン部分はそのまま残せます)と、ノイズ対策のフェライトコアの取り付け、交換後の動作確認までを写真付きでご案内します。
  • ご用意いただくもの:特別な工具は要りません。交換する部品は、私たちがケーブルごと一式でお送りしますので、部品選びに迷う必要はありません。
  • 🔴 注意していただくこと:この交換は制御盤の中(コネクタ・配線)を触る作業です。感電やショートを防ぐため、作業の前に必ず制御盤の電源(ブレーカー/主電源)を切ってください。くわしくは本文の警告をご覧ください。ご自身での作業がむずかしいと感じたら、無理をせずご相談ください。

こんなときに ― 交換を考える症状

  • 前回の接点のお手入れ(歯ブラシ+防湿グリース)をしても、流量が「0」のまま戻らない
  • コネクタ端子の錆が奥まで進んでいる/接点そのものが傷んでいるように見える
  • 抜き差し・お手入れをしても、センサーの信号が安定しない

こうしたときは、コネクタの奥まで錆が回っているか、接点が傷んでいる可能性があります。そんなときの、いちばん確実な直し方が交換です。

【最初に必ず】制御盤の中を触る前に、電源を切ってください

この交換作業は、制御盤の中(コネクタ・配線)を触る作業です。通電したまま制御盤の中に手や工具を入れると、感電や、金属工具が触れたときのショート(短絡)で、機器を壊してしまう危険があります。

コネクタを抜く前に、必ず制御盤の電源(ブレーカー/主電源)を切ってから作業を始めてください。そして、作業が終わってフタをしっかり閉めるまで、電源は入れないでください。 面倒に感じても、ここだけは絶対に省略しないでください。少しでも不安があれば、無理をせずご相談ください。

流量センサーは「3つの部品」に分けて交換できます

ありがたいことに、この流量センサーはまるごと買い替えなくても大丈夫です。3つの部品に分けられて、傷んでいる部分だけを交換できるつくりになっています。

なぜ、全部を替えなくていいのか

交換が必要なのは、電気の通り道になっているコネクタまわり(オス側・メス側の両方)です。ここは湿気で錆びやすい部分です。いっぽう、水が通って羽根車(タービン)が回るタービン部分は、電気の接点がない機械の部品なので、錆びによる不調とは無縁です。だから、タービン部分はそのまま残し、コネクタを含む部分だけを交換すれば直ります。

流量センサーを3つの部品に分解して並べた様子。上=黒いケーブルとコネクタ、中央=銀色の信号を伝える部分、下=T字型のタービン本体
流量センサーは、大きく3つの部品に分けられます。上=ケーブル(コネクタ付き)/中央=信号を伝える部分(センサーヘッド)/下=タービン部分(水が通る本体)。交換するのは上の2つ側(コネクタのある部分)で、タービン部分はそのまま使います。

分ける手順

まず、これが組み上がっている状態です。ここから順番に外していきます。

組み上がった状態の流量センサー。上のセンサー部分と下のタービン本体がつながっている
分解前の状態。上のセンサー部分と、下のタービン部分(水が通る本体)がつながっています。
  1. 配線(ケーブル)を先に抜いておきます。 つないだまま回すと、線がねじれて傷むためです。前回のお手入れと同じ要領で、コネクタを外してください。
  2. 緩み止めの薄いナットを、反時計回りにゆるめます。 これは、部品が勝手にゆるまないよう固定している薄いナットです。
流量センサーの緩み止めの薄いナットを指で差している。ここを反時計回りにゆるめる
指で差しているのが緩み止めの薄いナット。まずこれを反時計回りにゆるめます。
  1. ナットがゆるんだら、タービンから垂直に出ている金属の部分を、反時計回りに回して外します。 だいたい7〜8回転で外れます。
流量センサーの金属部分を反時計回りに回して、タービン本体から外していく様子
金属部分を反時計回りに回して外していきます。7〜8回転ほどで分かれます。

これで、①タービン部分 ②信号を伝える部分 ③ケーブル の3つに分かれます。傷んだ側(②③)は、私たちがケーブルごと一式でお送りしますので、あとは新しいものを取り付けるだけです。

配線は必ず「先に」抜いてから回してください

配線をつないだまま金属部分を回すと、ケーブルがねじれて傷む原因になります。回す作業に入る前に、コネクタを外しておいてください。

元に戻すとき(組み立て)

戻すときは、外したときの逆の手順です。先に緩み止めナットを多めにゆるめた状態にしておくと、作業がスムーズです。

  1. 配線を外した状態のまま、本体(金属部分)を時計回りに回して固定します。
  2. そのあと、緩み止めナットを時計回りに回し、突き当たるまで締めます。 こうすると、部品が勝手にゆるんで抜けることがなくなります。

仕上げに、ノイズ対策の小さな部品(フェライトコア)を付けます

配線のコネクタを差し込む前に、フェライトコアという小さな部品をケーブルに取り付けます(交換部品と一緒にお送りします)。

フェライトコアは、ケーブルに乗ってしまった目に見えない電気的な”ざわつき”(ノイズ)を吸収して、センサーの信号を安定させるための部品です。センサーが出す信号にノイズが混じると、まれに数え間違いなど、動きが不安定になることがあります。それを抑える”おまもり”のような部品だと思ってください。万能の対策ではありませんが、交換のついでに付けておくと安心材料になります。

どこに・どう付ける?

制御盤の中の、コネクタの近くに取り付けます。ノイズの出入り口をふさぐイメージで、コネクタのそばほど効果が出やすいと言われています。取り付けは、ケーブルにパチンと挟んで、爪がカチッと鳴るまで留めるだけ。厳密な位置決めは必要なく、「コネクタの近く」という大まかな目安で大丈夫です。白いコネクタの近くにあるほど効果的とされています。

ケーブルの白いコネクタのすぐ手前に、黒いクランプ式のフェライトコアを挟んで固定した様子
白いコネクタのすぐ手前で、ケーブルにフェライトコアをパチンと挟んだところ。爪がカチッと留まって固定されます。
ここでも ― 電源が切れていることを必ず確認

フェライトコアの取り付けも、制御盤の中での作業です。冒頭でお伝えしたとおり、制御盤の電源(ブレーカー/主電源)が切れていることを必ず確認してから作業してください。中の配線に無理な力をかけないよう気をつけて。

フェライトコアを付けたら、配線のコネクタを差し戻して交換は完了です。最後に、前回の記事の切り分け(水を流して反応を見るテスト)で、流量がちゃんと反応することを確認してください。

交換する部品は、こちらからお送りします

「どの部品を買えばいいの?」と迷わなくて大丈夫です。傷んでいる部分(コネクタを含む交換部品)は、ケーブルごと一式で私たちが用意してお送りします。 フェライトコアも一緒にお届けします。作業は、タービン部分を残して新しいものに差し替えるだけです。ご自身での作業がむずかしい場合は、そのままご相談ください。

もう一度錆びさせないために ― 設置場所を見直す(予防)

接点の錆びは、いちばんの原因が「濡れ(水・湿気)」です。裏を返せば、コネクタを水から遠ざけておくことが、いちばんの予防になります。直したあとに設置場所を少し見直すだけで、同じトラブルがぐっと起きにくくなります。

「防水コネクタ」でも油断は禁物

防水タイプのコネクタでも、水没や被水が続けば、防水のグレード次第で少しずつ水が染み込んでいくことがほとんどです。「防水だから大丈夫」ではなく、そもそも水がかかりにくい状態にしておくのが確実です。

点検のときに、次の点を見てみてください。

  • 雨が直接当たる場所に付いていないか
  • 風の強い日に、雨が吹き込む場所ではないか
  • 天窓(開閉する窓)の真下に位置していないか(開けたときに水が落ちてくることがあります)
  • 細霧冷房(ミスト)などの動作中に、水がかかる位置ではないか

コネクタの位置を少しずらす、雨やミストがかからないように向き・高さを変える、簡単なカバーをかける——こうしたちょっとした見直しだけで、錆びによる不具合が起きにくくなり、点検やお手入れの頻度が減ります。 結果的に、手間もコストも下がります。

注意点

  • 作業の前に、必ず水を止めてください。コネクタを外すときは水が出ていない状態で。
  • 金属部分を回すときは、配線を先に抜く(ねじれ防止)。
  • 🔴 制御盤の中を触る作業(コネクタの抜き差し・フェライトコアの取り付け)は、必ず制御盤の電源を切ってから。感電・ショートを防ぐいちばん大事な約束です。作業が終わってフタを閉めるまで電源は入れない。中の配線に無理な力をかけない。
  • 組み戻したら、緩み止めナットは突き当たるまで締めて、勝手に抜けないようにする。

よくあるご質問

Q. まず何から試せばいいですか?
A. まずは前回の記事のお手入れ(歯ブラシ+防湿グリース)をお試しください。お金をかけずに直ることがあります。それでも戻らないときに、この記事の交換に進むのがおすすめです。

Q. タービン部分は替えなくて本当に大丈夫ですか?
A. 今回のケースは、原因がコネクタの腐食だと判断したので、タービン部分は残しています。ただし、「タービンは絶対に替えなくてよい」と言い切ることはできません。タービン部分も、水の流れで羽根車が回る=擦れて動く部品なので、寿命はあります。もしタービン自体が傷んでいる場合は、そこが原因のこともあります。そのときはタービン部分だけを交換します(大きいモンキーレンチが2本あれば交換できます)。今回はタービンに問題はないと判断したので、残した、ということです。

Q. フェライトコアは必ず付けないといけませんか?
A. 必須ではありませんが、センサーの信号を安定させる”おまもり”のような部品です。交換部品と一緒にお送りしますので、ついでに付けておくことをおすすめします。

Q. 自分で作業できる自信がありません。
A. 無理はなさらないでください。分解・組み立てにご不安があれば、そのままご相談ください。交換部品のお届けから、作業のご案内まで対応します。

自分で作業するのが難しい場合

「分解が不安」「制御盤を開けるのが怖い」「そもそも原因がこれで合っているか分からない」——そんなときは、無理をせずご相談ください。

  • 流量センサー・コネクタの交換部品のお届け
  • 交換作業のご案内・サポート
  • そのほか判断に迷う症状のご相談

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